心房細動

心房細動という不整脈についてご存じでしょうか。
心房細動とは名前の通り、心房という部屋が細かく動き痙攣(けいれん)しているような状態のことをいいます。

心臓は4つの部屋に分けられていますが、左右上方にある部屋を心房、左右下方にある部屋を心室といいます。正常な心臓では洞結節という場所から一定のリズムで電気信号が起こり、その信号が心房→心室に伝わることで心房と心室が規則正しく動いています。心房細動では異常な電気信号をきっかけとして心房が痙攣するように細かく震え、それにより脈がバラバラになり不整脈が起こります。

動悸、息切れ、疲れやすい、胸の不快感などの症状がある方もいらっしゃれば、全く症状がない方もいらっしゃいます。

全く症状がなければ放っておいてもいいのか?

そんなことはありません。この心房細動にはいくつかのこわい問題点があります。

  1. 死亡率が上昇する(特に突然死、心不全、脳卒中による心血管死)
  2. 脳梗塞(全脳梗塞の20-30%は心房細動が原因といわれています)
  3. 入院(心房細動患者の10-40%が毎年何かしらの病気が原因で入院になっています)
  4. QOLの低下
  5. 心機能の低下
  6. 認知機能の低下

一番こわいのは死亡率が上昇することですが、これは心房細動を原因とした突然死と心不全による死亡率が大きく占めています。それ以外に重要なのは、心房細動による脳梗塞は『ノックアウト型脳梗塞』とよばれる、脳梗塞の中でも後遺症の程度が重い脳梗塞を発症することが多いということです。


心房細動では心房がけいれんを起こして血液の流れが滞り、血栓(血の塊)ができやすくなります。その血栓が心房から流れて頭の血管を詰まらせて脳梗塞を起こします。血栓の大きさにもよりますが、大きな血管を詰まらせることが多いため脳梗塞が大きくなり半身まひなどを起こし(ノックアウト)、その後の生活に大きな影響を及ぼします。

高齢であるほど心房細動になりやすく、その他高血圧、糖尿病、肥満、喫煙、飲酒量が多い、睡眠時無呼吸症候群などがあるとさらに発症しやすくなるといわれています。治療はまず生活習慣の改善、脳梗塞の危険度を把握し脳梗塞を予防する内服(いわゆる血をサラサラにする薬)を開始するとともに、不整脈を抑える薬の使用や脈拍の管理を行います。心不全がある場合は心不全の管理も行います。


その他症状が強く心房細動が薬で改善しない場合は、カテーテル治療を行うこともあります。

検診の心電図で心房細動と診断された場合や血圧測定での『不整脈』表示、脈を触ってみたらバラバラだったなど気づかれた際にはお早めに一度ご相談ください。

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